■実は「インスタグラマー」だった
その後なんとなく田端さんと仲良くなり、彼女がSNSの世界ではちょっとした有名人であることを知りました。いわゆる、「インスタグラマー」だったのだと思います。フォロワーが数万人いて驚きました。一緒に行ったカフェで撮った写真も、彼女の手にかかるとまるで雑誌の1ページのようにかっこよく加工され、私も気分が上がりました。
一方で少し気にかかったのは、カフェでもっとも「映える」2000円超のパフェを頼んだものの、ほとんど口もつけずに写真を撮って終わらせていたこと。彼女自身が食べたくて注文したのでなく、キラキラした日常の一コマを演出する小道具としてのパフェだったのかな、と思いました。
そんな田端さんから相談の連絡が来たのは数カ月後のこと。「貯金が底をつき、キャッシングの金額が200万円になってしまった」「この先どうしたらいいかわからない」と取り乱していましたが、その膝の上には最新のブランドバッグがありました。30万円もする高級品で、毎月1万円支払うリボ払いで買ったものだと言います。
たしかに、20代前半という年齢や派遣社員という契約形態、仕事内容を聞く限り、彼女の「インスタ映え」な生活は不思議に感じていた点でした。聞いてみると、キラキラ生活の実態は手取り20万円、そのうちの5万円をリボ払いに費やしている苦しい状態でした。インスタグラマーとして人気を博してはいましたが、PRのようなお金の発生する案件はごくわずかで、生活の足しになるレベルではなかったそうです。
■「いいね」欲しさに出費がかさんでいった
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Source: 哲学ニュースnwk