【朗報】中世ヨーロッパ人「ペスト怖いンゴ…せや!一生身体洗わずに垢で毛穴塞いで防いだろ!」

1: 風吹けば名無し 2022/11/11(金) 19:54:48.10 ID:AXoRHRvc01111
今なら「不潔さ」がいちばんよくないとわかるが…… 。

黒死病の流行で、人々が忌み嫌ったのは「魔女」でも「ネズミ」でもない。

そもそも、腺ペスト(訳注:14世紀にヨーロッパで猛威をふるった伝染病。皮膚が黒くなって死んでいくことから「黒死病」と呼ばれた)の原因がネズミであると判明したのは、1898年のことだ。

流行直後に、人々が徹底的に避け始めたのは水(または湯)に触ることだった。

中世のヨーロッパには、「終わりなき腐敗の時代」という悪名もついたほど、汚(けが)れたイメージがある。

だが、実は、当時のどこの都市や町にもかならず大衆浴場があった。

温水と湯気ばかりでなく、食べ物やワインや、「その他のサービス」まで提供する豪勢な浴場もあったという。

こうした浴場は恋人たちの密会に最適な場所となり、ほとんど高級娼館と呼べるような施設へと変貌したものもあった。

こうして、ほぼ400年間は、湯につかることも全身を洗うことも、こっそりとだろうが大っぴらにだろうが、人間としてごく普通のことであり、また望ましいことでもあるとみなされていた。

この習慣を変えたのが、黒死病である。

1347年から1350年にかけて、2500万人(ヨーロッパの総人口の3割)もの命を奪った伝染病だ。当初は、発生源も感染経路もわからなかった。

ところが1348年、パリ大学の医学研究グループの1つが、黒死病の原因に関する公式見解を発表。

「原因は大気中の有害物質にあり、それが鼻や口や、そして皮膚の毛穴から体内に侵入する」と。

突如として、風呂につかるのは自殺行為とみなされるようになる。なんとしても、水に入ることは避けなければならない。浴場は即時閉鎖。

その後の300年間、ヨーロッパ中のほぼすべての住民が入浴を完全にやめてしまった。

この新しい理論から導き出された予防策は、できるだけ毛穴をふさぐということになる。そんなわけで、それまで風呂で洗い流していた体内からの排出物は、保護膜として働く重要なものに変わった。

厚い膜ないし層ができれば、それだけ有害物質の皮膚からの侵入を防ぐことができるという理屈である。

油脂、パウダー、香料などが体臭を抑えるために使われ、髪もよほどの場合にしか洗わず、ほとんどブラシをかけてパウダーをはたくだけだった。結果、階層や職種に関係なく、あらゆる人々の頭と体がシラミやノミだらけになっていた。

そして、各国の君主も皆、臣民以上に不潔だった。

16~17世紀イングランド国王ジェームズ1世は、生まれてこのかた手の指しか洗ったことがないと公言し、17世紀フランス国王ルイ13世にいたっては、さも自慢げに「脇の下のにおいが自分でわかるぞ」と語ったという。

狂気の沙汰は、ここで終わらなかった。

水の代わりに使われるようになった「魔法の洗浄剤」とはいったい何だったか、想像できるだろうか?

アルコール入りのスプレー? 軟膏? ――いいや、正解はなんと「麻」。

17世紀初めから18世紀末まで、人々は麻を使って体を「清めた」という。

清潔な麻には不思議な力があって、それを身につけてさえいれば、体についている泥や汗をすべて吸い取ってくれる――ちょうど、植物が土から養分を吸い取るように――と考えられていたのだ。

というわけで、「太陽王」と呼ばれたフランス国王ルイ14世は、入浴する代わりに、1日に3回シャツを着替えた。紳士の身分が、所有する麻シャツの枚数で決まったのだ。

18世紀の終わりに、薬湯の効能が見直されるようになると、ようやく水は社会的地位を取り戻し始める。

イングランドでは、冷水に飛び込めばほぼなにもかも治るという話で持ちきりになったという。
no title


続きを読む
Source: 哲学ニュースnwk

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク